2017年7月2日日曜日

オーディオプログラムタイマー


中学、高校の頃は寝る前によくラジオを聴いていた。

実家の自分の部屋。ベッドの枕元に置いていたナショナルのオーディオプログラムタイマー。これは母が高校生の頃だかに使っていて、結婚して子供が生まれて新居に引っ越してもずっと手放さずに持っていた年代物。
物心ついた時には常に自分の部屋に置いてあったので、あんまり気にしていなかったのだけど、中学生だったある日、寝ようと思った時にふと「ちょっとこいつでラジオってものを聴いてみるか」と思い立った。ホコリをかぶった電源のツマミをパチッと上げたその時から、寝る前にTOKYO FMで放送されていた「やまだひさしのラジアンリミテッド」を聴くのが毎晩の習慣になった。ラジオってやつはおもしろいんだな、とはじめて認識した瞬間だった。

オーディオプログラムタイマー、タイマーと言うだけあって、指定した時間にラジオをONにしたりOFFにしたりできる。ラジオを聴きながらうとうと眠ってしまっても、ラジアンリミテッドが終わる頃には自動で電源が落ちるようにしたり、朝になったら目覚まし代わりにラジオを流したりすることができる。ささやかだけど、便利な機能だった。

しかしさすがに古いものだからちょっと壊れかけているところもあり、ボリューム調整のツマミをちょっとでも捻りすぎると雑音のまじったけたたましい音が流れるから、よく夜中に一人でびっくりしていた。
そんな具合で少し扱いにくいけど、10代の母が愛用していたものを10代の自分が引き継ぎ、親子二代にわたってひっそりと自分の部屋でラジオを楽しむという青春を味わえているのは我ながらすてきやん、と思うのでした。