2014年8月9日土曜日

近所の青果店と、ビールの自動販売機


近所にすごく良い青果店がありまして。

とにかく安い。エノキ茸が50円とか、小松菜が68円とかすごく安くて。青物の野菜なんて特に高いのに。黄色いズッキーニも100円で売ってたので思わず買ってしまいました。前によく行っていた大手スーパーとかだと、200円近くしてたからな、ズッキーニ。

品揃えの良さで言うと、西友とかのほうが便利ではあるんですよ。
でも、狭い雑然とした青果店でウロウロとダンボールの山を避けながら、新鮮な野菜を大量に安く買うのって、けっこう良いものです。行く日ごとに並んでる商品も変わっていて、どこに何があるかわからないんだけど、おかげで「日常生活に必要なものを買う」というだけの行動に、妙なワクワク感がプラスされるような。

「何でもある」と安心しきっている中、どこに何があるかわかりきった商品棚から、必要最低限のものを効率よく手に入れるだけの、「便利な買い物」に慣れてしまっていた。そんな中で、たまにノスタルジーさ漂わせる雑然とした青果店で買い物してみると、ちょっとしたアトラクション感が楽しめます。


シイタケどこにあるの?
え、今日はないって?
あれ生の赤唐辛子が売ってるじゃん、これはレアな
CDラジカセ「さあさあ安いよー安いよー」
午後8時閉店


ああ、楽しかった。



そういえば、私が小学生の頃、鈴木商店という小さなお店があって。

同級生の実家がやってたんだけど、確かお酒がメインで、そのほかジュースやお菓子、ちょっとした日用品や食料品を売っていた、ような記憶があります。鈴木商店の前に、駅に向かうバス停があったから、バスを待つ間に母親と一緒に何かしらを買ってたような気がするんだけど、残念ながらあんまり覚えていない。

よく覚えているのは、お店の前にビールの自動販売機があったこと。上段は缶ビールで、下段には瓶ビールが並んでいた。自動販売機に大瓶のビールとかも売ってるんですよ。「ジュースもあのくらい大きな瓶に入って売っていればいいのに」と、子供ながらに憧れのまなざしで見ていました。


最近ではビールの自動販売機って見なくなりました。鈴木商店の前の自動販売機も今はもうなく、鈴木商店自体も無くなってしまった。鈴木君、元気かしら。




「懐かしさ」が感じられるあれこれの多くは、もう姿を消してしまった。
けど、たまにまだ根強く残っているのを見かけると、逆に「新鮮さ」を感じてワクワクとうれしくなります。

コンビニでさくっとビールを買って、西友でちゃちゃっとカット済みのネギを買うような今だからこそ、雑然とした青果店や自動販売機に感じる魅力は、より深まっている。

「昔がよかった、今はダメ」というのではなく、「昔があってからの今」だからこそ、新しいものも古いものも、便利なものも不便なものも、何でも味わい深くなるのだと思います。


こんな具合で、いちいちいろんなものを感慨深く思っているもんだから、毎日忙しくて大変だ。

みなさま、どうぞご自愛ください。


かしこ。

2014年8月3日日曜日

夏生まれ


たとえば、土日祝日の休日の夏。
Tシャツとハーフパンツにサンダル、変な柄の帽子かぶって
小さいウェストポーチを肩からかけてる人がいるじゃないですか。

こういう、夏ならではのラフな格好をしている人を見て、
ふと、「この人も普段はびしっとスーツ着てオフィス街でせかせか仕事してるんだろうな」
とか思ったりして、勝手に何とも言えないセンチメンタルな気分になる。


じりじりと太陽を浴びて、止まらない汗。
汗をいとわないTシャツ姿で、外の空気を吸いながら飲む冷えたビールのおいしさ。
通勤電車で聴くと何とも思わないような音楽は、
商店街へ出かける道中で聴いてみると、
なんだかすごくカッコいい曲に聴こえて感動する。


なんでもない東京の休日を、なんでもないように過ごしているわけだけど、
ふとした時に、このなんでもない感じが、やたらと感慨深く思えてきてしまうのは、
きっと夏のせいだというのも、あるんじゃないかしら。





夏生まれのわが身にとって、夏は偉大すぎる。


かしこ。