味付けは、ナンプラーをベースとした甘辛のベトナム風にした。
肉料理にまつわる個人的な話をします。
まず、ふだん肉を買うとしても、小間切れや薄切り、ひき肉など
扱いやすくて手頃なものが中心。
がっつりとした肉の塊って、値段が張るし、調理工程も難解なイメージがあるので、
滅多に使うことはなかった。
逆に言うと、がっつりした肉の塊というのは、ロマンがある。
普段の食卓で気軽に扱う気は起きないけど、高級で難解だからこそ、特別感や憧れがある。
たまに、遊び半分の興味本位でステーキ的な何かを作ってみようかな、
と思い立つことがあるのだけど、まさにそのタイミングが今回だった。
頭と心はステーキの気分でスーパーに向かったんだけれど、
いざ売り場の棚に並べられたステーキ肉を目の前にしてわーびっくり。
ステーキ肉ってこんなに高いのか…豚小間いくつ買えるんだ…
一切れ分の値段に完全に怖気づいて、しばし肉売り場をウロウロした後、
スペアリブなら案外買えなくない値段だということに気付き購入。
世の中的にもスペアリブって、オシャレ料理として流行ってるっぽいし、
骨付きで見た目もガッツリしているから、遊び心をくすぐった。
ということで、完成したスペアリブ料理が冒頭の写真。
遊び心ついでに、クレソンなんぞも添えてみた。
見た目はそれっぽい。大胆かつ豪勢な肉料理って感じで、ご家庭感がないのがまた新鮮。
しかしですね、食べてみて思ったのだ。味は美味しい。
なんだけど、スペアリブめっちゃ脂っこい。
二口食べたらもういいやという気持ちになってしまった。
実際、スペアリブというのは骨がついたバラ肉の塊。
バラ肉というのは角煮とかにもよく使われているように、もともと脂肪分が多い部位だ。
だからスペアリブとはそもそも、このジューシーな脂身のうまみを味わうものかもしれない。
けど個人的には、昔から肉の脂身というのがすきではなかった。
たまに実家の食卓に角煮が出ても、脂身を取り除いてもらうよう母親に頼んでいたくらいだ。
あと母が実家で作る焼豚は、バラ肉ではなく、
比較的脂身の少ないモモ肉を使っていて、これは大好物だった。
私はジューシーな肉よりも、わりとパサっとした歯ごたえの
アッサリした肉料理のほうが好きだったんだ。
そう、そのことをすっかり忘れていた。
鶏ささみがだいすきな私には、スペアリブは合わなかった。
ご家庭らしからぬ、ジューシーで贅沢な肉料理を!と思ったけど、
やっぱりいつもの小間切れか薄切りか、ひき肉が良いな結論になった。
とはいえ見た目にも華やかな肉料理など、
普段作らないような料理に挑戦してみるのは楽しいものだ。
スペアリブを一晩タレに漬け込むという過程も、創作意欲を刺激して良い。
なので今度は、鶏胸肉を使ってジャークチキンを作るかな。
それなら脂身に胃をもたらすことなく、
見た目も味付けもがっつりとした肉料理を楽しめる気がする。
かしこ。