春めいてきた。
新生活を迎える学生や社会人がそわそわとフレッシュな空気を漂わせている、
そんな春の雰囲気がけっこうすきで、去年もそんなことを
ブログに書いていた。
春は人間観察が楽しい。
だいたいいつも自分の人生に必死な日々を送りがちなのだけど、
この季節ばかりは知らない他人が来たる春を前にして
浮き立ったり不安気だったり、けだるそうにしている様子を眺めては、
おうおうがんばれよ、と勝手に応援したい気持ちになる。
個人的には、春にありがちな入学・卒業・入社・転勤・退職みたいな節目は無く、
今までと同様の環境で新しい年度を迎える予定ではあるが、ちょっと昔のことを思い出してみる。
高校卒業と大学入学を控えていた頃、クラスメイトたちは急にmixiを始めていた。
へ〜なぜ今になって?と疑問に思いつつも、その時はあまり気に留めなかった。
これはあとでわかったことだけど、大学入学を控えた全国の高校生たちは
mixi上で同大学に入学予定の者同士つながっておき、
入学式当日にはmixi上で作っていた友達グループと待ち合わせをして、
晴れの入学式を迎えていたようなのだ。
っていう話を、大学入学式の当日に
たまたま一緒に某サークルの勧誘を受けることになった女子2人組から聞いて知った。
へえええ、今どき(当時2008年)の大学1年生って、
もはや入学式で周りが知らない人ばかりの心細さや、
偶然隣に居合わせた気が合うかもよくわからない人を賭け的にターゲットに決め、
この瞬間に学生生活の一生を棒に振るかもしれないリスクへの恐れを振り切りながら
こいつは良いやつに決まってる!と自分を鼓舞していざ声をかける、
という緊張感を味わうことなく、
mixiというツールを使うことで、事前にお互いのプロフィール情報を得て、
気が合いそうな人に目をつけ事前に入学式で待ち合わせをする約束を取り付けておき、
当日は孤独になることなく安心して入学式を迎えられるよう、綿密に布石を打つものなのか。
と、恐れおののいた記憶がございます。
何も考えずに一人ふら~と入学式を迎えた自分がすごく世間知らずな感じがしたものだ。
とはいえ私の場合、賭けに出て最初に話しかけた人がその後の最強の相棒となり、
おかげさまで我ながら充実した大学生活を送ることのできた勝者だと思っているので、
布石を打とうがどうしようが、今となってはもうどうでもいい。
完全に結果論に過ぎないのだけれど。
最近の大学生、というかもはや高校生とかでも、
事前に何かしらSNSでつながっておいて入学式を迎えるというのは、
もはや当たり前のことなのかもしれない。
時代だな~とか思いながら、袴姿でセルフィーを撮る女子大生をボーッと眺めた。
しかし、無為に他人の人生を眺めてばかりいる場合ではない。
せっかく春らしい穏やかな気候の連休なのだから、昼からのんびりと街歩きを堪能するべきだ。
ボーッとしてるとまた忙しない日々が始まってしまうぞ。気をつけろ。